阿蘭陀煎茶盃です。
19世紀西洋の物と思います。
恐らく当時の舶来品。
日本から煎茶用として注文した物と考えています。
阿蘭陀としておりますが、当時は複数国で軟質陶器を造っており正確な産地は不明。
一般解釈として阿蘭陀を使わせて頂きました。
小さな碗に東洋を想像して描いたような山水図。
帆船や釣り人なども見えなんだかのどかで憧れます。
意図してか滲んだ藍絵がまるで霧がかった幻想的な風景のようにも見え、ただのシノワズリとは言えない静かな佇まいが美しいと感じました。
柔らかな表情に細かく入った貫入も日本人好みの質感。
トリアシ状のニュウがありましたが欠点と思わず錫で繕い、雷鳴を思わせる良い景色に繋がったと満足しております。
実は同手を数客まとめて保有しておりますが、今回はとりあえず直しに出したこちらのみをご紹介させて頂きました。
盃にも最適なサイズでお使い頂ければ幸いです。
※写真のようなニュウを本漆・本錫を用いて繕っております。
見込みは美観を損ねないよう今回触れてはおりませんが、通常使用については問題ないと判断しております。
使い込む事でさらに鈍い銀色に育ちます。
強く擦ると錫が剥げてしまいますので、メラミンスポンジやたわしなどのご使用はお控えください。
口縁部ホツのような物がございますが、これは伏せ焼きのため最初からあるものです。
古い時代の物ですので神経質な方はご購入をお控えください。
size
直径:約5.8cm
高台径:約2.7cm
高さ:約3.3cm
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