土人形"鳩"【錫繕い】


















土人形の鳩です。
大正から昭和初期頃の物と思います。

【以前ご紹介した"神鳩"】と少し似ていますが、こちらはもう少し古く広い産地で造られたと思われる郷土玩具です。

経年で渋く摩れ、より一層静かな佇まい。
この手の土人形には脚の無い物もしくは脚のような膨らみだけがある簡略化された物が多いのですが、土台を造りそこに描く事で上手く表現しています。
細かいポイントですが、そのため胴体比率もとれておりバランスも美しいと感じました。

尾羽に残念な傷がありましたが本漆、本錫を用いて修復しました。主張し過ぎない錫の落ち着いた直しが上手く馴染んでいると思います。
傷ができてそこから中に入れたのか、振るとコロコロと土の素朴な音を奏でる物が一つだけ入っています。(鈴では無いです)
前所有者の遊び心と思うとさらに愛着が湧きますね。

飾るのにも丁度良いサイズ感で少し古い時代の、褪せた色合いに癒されそうな一品です。


※写真のような傷を本漆・本錫を用いて繕っております。
時間の経過でさらに鈍い銀色に育ちます。
古い時代の物ですので神経質な方はご購入をお控えください。


size
体長:約14.5cm
高さ:約13.5cm

0 件のコメント:

コメントを投稿